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2012年3月8日木曜日

岩下徹ダンスワークショップ&ソロダンス公演「放下24」@仙台(2011.9.23-25)活動報告




■実施概要
【開催期間】2011年9月23~25日(23-24日ワークショップ、25日公演)
【会場】せんだい演劇工房10-BOX
984-0015 宮城県仙台市若林区卸町2-12-9 TEL:022-782-7510
【協力】せんだい演劇工房10-BOX、NPO法人みやぎダンス、
Art Revival Connection TOHOKU(ARC>T)
【スタッフ】制作/志賀玲子、現地サポート/定行俊彰、定行雅代(みやぎダンス)
【主催】シューツ&ルーツ (代表 岩下徹)

岩下徹は、JCDN「ダンスによる復興プロジェクト」の旅費支援をうけて、2011年9月23~25日と2012年1月28~29日の2回、宮城県仙台市と東松島市で公演、ワークショップを実施した。

2011年9月の折は、舞踊家として被災地で何かできることはないか、という思いと、まだまだダンスどころではないのではないか、という思いが交錯しながら、ちょうど、年に一度の「放下」シリーズをどこで開催するかを考えていた時期でもあったので、以前から活動を共にしてきたNPO法人みやぎダンスの定行さんにご相談しながら、「放下24」とワークショップを、仙台の演劇人の活動拠点である10-BOXで開催させていただくことにした。観客やワークショップの受講者は、できるだけの広報はしながらも、一般市民というよりは、演劇やダンスに関わる舞台関係者を想定していた。自らも被災しながら、被災地のために演劇やダンスのできることをやろうとされていたARC>Tの方々と出会ってみたいという思いもあった。


実際に10-BOXでワークショップと公演にご来場くださったのは、みやぎダンスで共に活動をしてきた障碍のある・ないメンバー、以前に岩下が仙台でワークショップをやった時に参加してくださった方々や仙台で舞踏をやっている方、宮城県で被災し岩手県花巻市に避難されている方、京都造形芸大の卒業生、10-BOXの所長やスタッフ、など10数名であった。花巻の方は舞台関係のネットで情報を知ったということで、この時、初めて踊ったとおっしゃっていた。

ARC>Tのメンバーの方々は、すでにその頃、彼ら自身による被災地での支援活動の準備のため、忙殺される時期となっていたそうである。そんな中でもお一人、仕事の合間に(事務所は10-BOX内)公演をご覧くださったのはうれしかった。
震災後6カ月というこの時期に、仙台でダンスとワークショップを実施したことが、少しでも、お一人でも励ますことができたのか、どういう意味があったのか、そこのところが正直なところわからない。ワークショップも公演も集中したよい時間と場であったが、ほとんど震災のことは話されず、参加された方々の胸中を察することはできなかった。印象的だったのは、「自分のからだがガチガチになっている、ということにようやく気づくことができた。」という言葉だ。直接被災していない方も身体感覚がおかしいとおっしゃっていた。9月の段階では、このような答えのない気持ちを抱えたままの活動終了であったが、2012年1月末に再度、宮城県内2か所を訪問する機会を得ることができた。(報告者:志賀玲子)

【活動詳細】

■岩下徹ダンスワークショップ
「少しずつ自由になるために~自己とむきあう、他者とかかわる」

【日時】2011年9月23日(金)7~9時、 24日(土)4~6時
※内容は2日通し。1日だけの参加も可能。
【会場】せんだい演劇工房10-BOX  box.1(練習室)
【受講料】無料
【受講者数】各日15名
【ちらしに掲載したメッセージ】
年齢やダンス経験、障碍の有無を問わず、どなたでも参加していただけるボディ・ワークです。まず、床にゆったりと寝転がり、からだを緩めることから始めます。そして、寝返りを打つ、座る、立つ、歩く、寝転がる、といった簡単な動きを、その速度や質感を変えながら行います。ゆっくりと自分のペースで動きながら、日常生活では忘れている自分のからだの感覚、そこから生まれる心の動きに耳をすましていきます。最初は一人の動きから始め、少しずつ2人組、グループなど周囲との関係の中で動きを発見していきます。ほんのひととき、からだで遊んでみませんか。



■岩下徹ソロダンス公演「放下24」(ARC>T#23)
*公演終了後、観客とのトークセッション実施
【日時】2011年9月25日(日)3:00pm開演(2:30pm開場)
【会場】せんだい演劇工房10-BOXウッドデッキ
【料金】入場無料
【来場者】約50名
   
【ちらしに掲載したメッセージ】
<無音、即興、60分>という同じ条件の下、年に一度の定点観測的ソロダンス。

「放下(ほうげ)」シリーズは、自らのダンスの成立根拠を問うため、年に一度、「無音、即興、60分」という同じ条件の下で踊るもので、1988年に開始。近年は拠点の京都と東京で毎年交互に開催してきましたが、今年、初めて仙台で踊らせていただきます。

「放下」とは、「すべてのものを投げ捨てて、心身を自由にすること」という仏教の言葉です。23年前、当時31歳の岩下は、もはやそうしなければどうにもならない、袋小路のような状態に陥っていて、そんな中で、「放下」― テーマ、イメージ、振付、構成、音楽、衣装、装置といった、 ダンスをとりまく様々な要素と決別し、身体ひとつで観客の前に立つこと― を踊りました。以来、年に1度、続けています。今年は、<劇場>という装置も問うてみたいと、10-BOXの屋外ウッドデッキで踊る予定です。
「人が人の前に立ち、何かをするとは、どのような行為なのか」―パフォーミングアーツにとって最も根源的な問いを、仙台の皆さまと共に考える場となることを願っています。


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