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2012年3月8日木曜日

2012.01.29 仙台市扇町4丁目仮設住宅被災地支援プログラム報告 みやぎダンス定行俊彰

■日時.場所.スタッフ
日時:2012 年1 月29 日日曜日10:30~11:45
場所:仙台市宮城野区扇町4丁目仮設住宅全80戸
指導:岩下徹
サブスタッフ:定行俊彰定行雅代
参加者:仮設住宅居住者10 名見守り支援スタッフ4 名


■初めての仮設住宅ワークショップ
9 月に一度扇町1丁目仮設住宅のダンスプログラムにアシスタントとして参加。今回の場所でのワークショップは初めてである。岩下氏も私も開催前に何より心配したのは、参加者がいるかどうかだった。告知チラシは全戸配布したものの、果たしてそれでいいのか?参加者は集まるのかが不安だった。また、どんな年齢層なのかも。

集会所の環境を知るためにも開始1時間前には会場入りして、会場内をほんの少し片付け、開始時刻を待つ。仮設住宅の自治会長・副会長は早々にいらしたものの果たして他の参加者は?という思いで時間を過ごした。開始時刻10 分前、初老の男性がいらした。続いて女性も。開始時刻には、なんと10 名の仮設住宅居住者の皆さんが集まってくれた。

参加者が集まったことで、ひとまず大きな第一関門をクリアした思いで、いよいよワークショップはスタートした。


■ワークショップ

広さ4間×4間ほどの集会場に椅子を配置。ほとんどがご高齢の方々。1名は若い子ども連れのお母さん。まずは、岩下氏から座ったままでできる事をしましょうと提案。

自分で手のひらをこすり、腕をさすり、足をさする。そして、座ったままで腰を軽く叩いてマッサージ。自分一人で行うのだけれど、参加者からは「暖まるね。」「気持ちいいね。」と声が出る。



胸や肩を軽く自分自身で叩いて、次に手のひらを指圧。手のひらの真ん中あたりを親指で押さえていく。みんなの表情がだんだんと変わっていくのが伝わってくる。

















次に、「立ってください」と岩下氏。腕をぶらぶらにした状態で前後に腕を振る事にみんなは挑戦。
「腕の力を抜いて、ひざを少し緩めて、ブランコのように。」という岩下氏のアドバイスを聞きながらみんな熱心に行っていく。









次は、前後の動きから、腰を回して腕を回していく運動に進んだ。腕の力を抜きぶらぶらと腕を回していく。「これは腰が伸びるので腰痛に効くんですよ。」と声がかかると、幾分腕を回す早さがアップ。皆さんが腰痛を持っていたり、腰が重たい生活をしているんだという事が伝わってくる。







ここまで来ると会場の雰囲気はかなり和んできている。「きもちいいんだっちゃね。」「一人でできっちゃね。」などと思い思いに話しながら進んできた。

ここで、岩下氏が「では、次に二人組になってください。できれば同性同士で。」と話すと一気に会場内は誰と組むかで、盛り上がる。中には、「せっかく女性と組めると思ったのに・・・・」とはしゃぎながら男性同士で組む人も。



一人が座って、もう一人がその膝枕に寝る。と岩下氏がやってみせるだけで、会場内はまた盛り上がる。
気持ちいいね。いいっちゃね。

人の膝枕ということが本当に少なく、今の生活の中では嬉しいものだということが伝わってきた。

肩を押してもらったり、腕をもんでもらったりと相互に交代しながら進んでいく。「こうたいーーーー。」と言う声を聞くと「こっちだけ早いんじゃね?」なんて声も漏れるぐらい、会場は打ち解けている。最中にある女性のご主人が来たらしく、一人会場から抜けた。すると、メンバー構成上、男女のペアができ、気持ちよさそうにやっている。それを見ていたある初老の男性が「これは、夫婦和合のマッサージだっちゃ」と独り言。すぐそばにいた私は思わず吹き出してしまった。それほどみな気持ちよさそうに相手に身を任せて、やっているのだ。



次に岩下氏から新たな提案が。「一人は人形です。自分では動けません。その相手を動かしてあげてください。」と言って、デモンストレーションを参加者と披露。女性の働きかけで岩下氏の姿勢がどんどんと変わっていく。たった姿から床に寝てしまう。そんな二人の関わりを見ながら、周囲からは、感嘆の声が上がる。
「さあ、ではやってみましょう。」
「えーーーーーー」
でもみんなおそるおそるやり始める。






「そこは50 肩だから痛いよ」
「今まで使わない筋肉を使うね」
「なんだか変な感じ。でもおもしぇ。」

そんな声が聞かれながら場はどんどんと盛り上がっていく。参加者のからだのコミュニケーションは自然と確実なものになっていく。これこそ、「からだでおはなし。」


気がつけば、私から見るとみんな踊っている。ひーひー言いながらも、からだ同士のお話を楽しんでいる。

中にはうなるほどの踊りの達人も現れる。










こうして一時間という時間はあっという間に過ぎ去り、今回のワークショップは終了。

岩下氏からも「皆さんとてもよく踊っておられましたよ。」との話が。

参加者は、からだが楽になった。とても暖かくなった。等の話がでつつ、今回のプログラムは、気がつけばあっという間の一時間で終了した。





■ ワークショップを終えて

仮設住宅でのダンスワークショップは今受け入れられるのか?今回の開催を企画した私も若干の不安はあった。震災から10ヶ月。生活することがそこそこに軌道に乗りつつ、まだまだ先の不安はある。そんな中で、今、ダンスが、踊りが、果たす役割はあるのか?
そんな疑問が私にはあった。今はないが、避難所が開設されている頃、私は、今はダンスの出番ではないと感じていた。生きることに精一杯で、からだの感覚に注目するにはほど遠いと考えたからだ。でも10 ヶ月過ぎた今なら、大丈夫かもしれない。だけれど、自信もない。そんな思いで迎えた今回の仮設住宅でのワークショップ。

やり終えて、その不安は、解消された。きっとこれからからだの感覚に関する支援が大切になると。踊ることが目的ではない。からだを動かし、楽になる。からだを使って他者とコミュニケーションを図る。自分自身のからだに気づく。このことがきっとこれから、求められるだろうと。

「継続は力」だとう思う。私自身は、今回のワークショップを出発点として、ピンポイントの活動だけれど、今回訪問した扇町4丁目仮設住宅でのワークショップを継続的に行っていきたいと思う。「あのおんちゃん達が来たら、からだが楽になることするよね。おもしぇーよね。」と、分かってもらえれば、最高だ。

たった1回の支援が全くだめだとは思ってはいない。だけどどうせ、私も仙台に住んでいるのだから、今回のように現地サポーターとして動いて、同じ場所で、顔が見える・名前を覚えられるような活動を行いたい。そう思っている。




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2012 01 28共生園被災地支援プログラム報告 みやぎダンス定行俊彰

■日時.場所.スタッフ
日時:2012 年1 月28 日土曜日10:30~11:45
場所:矢本愛育会共生園知的障害者日中活動支援施設
        宮城県東松島市

指導:岩下徹

サブスタッフ:定行俊彰定行雅代佐々木大喜佐々木博美

参加者:共生園利用者30 名共生園スタッフ10 名

■継続することが大切な被災地支援ワークショップ6回目
8月からスタートした共生園でのワークショップ。今回はJCDNの協力を得てメイン指導者に岩下徹氏を迎えて行うことになった。

みやぎダンスが8 月より訪問を続けているこの施設。所在地は宮城県東松島市にあり、震災の際は建物は高台にあったこともあって津波の被害を受けることはなかったが、利用者の中には津波の被災を受け、様々な形で被害を受けている人たちが多い。

とにかく顔が見えること。細く長く継続的に行うことが重要と考え、今後3年は継続していくことを考えている。

■ワークショップ
当日は雪の心配もあり、早めに出発。会場には9:50分に到着。利用者の皆さんも送迎バスにのって、徐々に集まり始める。会場に入ると、みやぎダンスの定行のことは皆分かっていて「定ちゃんおはよう」などと言ってにこやかに迎えてくれる。今日はダンスワークショップということが分かっており、参加者はホールに集まり、ワークショップの始まりを待っている。踊ることの楽しさや、この場では強制されないこと。いつも来る人たちが安全であることが伝わっているのか、非常に好意的な雰囲気で、スタート待ってくれている。


ワークショップの冒頭定行より岩下氏を紹介。
スペシャルゲストの登場に会場では拍手がわき起こる。岩下氏は冒頭に、デモンストレーションとしてご挨拶代わりに会場内を即興ダンスで動き回る。会場からは驚嘆の声がわき起こる。
これで一気に会場内の雰囲気は和やかなものになった。

次に岩下氏の提案から、手のぶらぶらや軽いジャンプなどが繰り広げられる。車いすの人、全盲の人、うまく立てない人など様々だけれど、それぞれが自分のできる事をまねしていく。


岩下氏の太鼓のリズムを感じながら全員で会場内を歩き回る。動ける人は、どんどんと歩き、歩けない人は椅子に座り、会場の雰囲気を感じている。車いすのメンバーも笑顔を見せながら動き回っている。

様々な参加形態があってもいいんだというメッセージがこのとき、参加者に伝えられている気がした。動ける人も動けない人も車いすの人もそれぞれのあり方でよい。無理に歩く必要はない。そんなメッセージが無言の内に広がっている素敵な時間だった。

歩き回った後は二人組になってからだをマッサージ。叩いたりこすったりしながら、どんどん会場の雰囲気がほぐれ、笑顔が広がっていく。岩下氏も肩を叩いてもらいながら、本当に気持ちがよさそう。一人一人がそれぞれの関わり方で相手に関わっていく。






からだがずいぶんとほぐれた後、岩下氏の太鼓の合図で、周囲の人たちとくっつく事が始まる。太鼓の合図でくっつき方をどんどん変化していく。恥ずかしがりながらもいろいろなポーズをとりながら参加者のみんなはいろいろなポーズを決めながらくっつきからだでコミュニケーションをしていった。







全員でひとしきり動き終わった後、今度は今「くっつく」という事をやってきたことをみんなの前で発表。


岩下氏の太鼓の合図で二人が前に出て、どんどんとポーズを変えていく。

そんな中、それまで会場の隅にあったソファーで見ていた参加者の一人が岩下氏の横に座り、氏の太鼓に興味津々。岩下氏は太鼓を叩きながらもその参加者に関わり、気がつくと、二人で踊っている人と岩下氏と踊っている人という2ペアができあがる。

岩下氏の突飛な動きに参加者の男性は時には驚いて飛び退いたり、尻込みしたりを繰り返し、会場内は大爆笑の渦。
見ている人たちにも、笑いと共に会場全体への信頼感と安心感が広がっていくのが私にはひしひしと感じられた。






二人組から三人組へと変化しながら参加者がみんなの前で、くっつきながらポーズを変化させていく。

自閉症の参加者も積極的に参加し、動くことを自然に楽しんでいく。






楽しい時間はあっという間に過ぎ、11 時30 分に。最後に参加者全員で自由に踊る時間。それぞれがそれぞれの参加形態を保ちながら、動くこと、ふれあう事、表現する事を楽しんだ。



■ ワークショップを終えて

「継続は力」今回はそのことを今まで以上に強く感じた。岩下氏が訪問する以前に5回ダンスワークショップを行っている。その中で、顔を顔がつながり、一つの信頼関係ができる。一度信頼関係ができると、その延長上に様々な可能性が広がる。今回岩下氏が今までみやぎダンスで行ってきたこととは異なるエッセンスを提案しながらワークショップを進めてくれた。それをメンバーが楽しんでいた。それが本当に良かったと私は感じている。
岩下氏はその場その場で動く場のエネルギーを察知しながら、次のことを提案していく。時にはからだで動いて見せる。それが、参加者の共感を得て、次に参加者が動いていく。まさに氏が得意とする即興の感覚が場に広がっていく。


私としてはまた岩下氏にここを訪れてほしいと思う。日常的に私たちがワークショップを行っていく。そこへ違う風が吹く。そしてさらに場が豊になる。そんなことを繰り返す内に豊かな場ができるのではないかと。

彼らは被災している。ただ、言葉でそのときの衝撃や感情を表現することが難しい。だからこそ、からだで表現する事が必要となる。でも、そのスキルは持っていない。ダンスの可能性がそこにあると私は思う。

岩下氏のリードで行ったこの一時間の経験は、彼らにとって、言葉にならないレベルで肯定的な影響をもたらしていると私はその場にいて思った。また、このような場を持つことができればと思う。





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2011.9.23-25と2012.1.28-29、2回の被災地支援を終えて 岩下 徹


今回初めて被災地でのワークショップに臨んだ。
昨年9月にも2日間に亘り仙台の10-BOX(BOX1)でワークをさせて頂いたが、その場には「みやぎダンス」カンパニーのメンバーや地元でダンスや演劇活動をされている方々が主に参加され、かなり濃密な空気感が生成したと思う。
しかし、その時「生まれて初めて踊った!」と語ったYさんのお話をお聞きする限りでは、3・11よりほぼ半年過ぎてから被災者の方々の多くが、漸く自らの身体の違和感に気付き始めていらっしゃるように思われた。それまではそんなことに気付く余裕すら無く、連日極度の緊張状態にいらっしゃったのだろう。あの震災は、人の感覚をそれ程までにしてしまうことだったのかと心底思い知らされた。

ウッドデッキでの私のソロ・ダンス公演『放下24』(無音、即興、60分)でも、「みやぎダンス」とWS.に参加された方々が主なお客様になって下さった。照明も音響も無い、ウッドデッキの上に四角く切り取られた青空の下で踊る私を何とか支えて下さったのは、客席にはっきりお顔の見える方々の眼差しだったと今更ながらに思っている。

床面や空間の状態を今ひとつ掴み切れず幾度となく踊りが途絶えたにも拘らず、辛うじて60分続けられたのは何よりその方々の集中力という強い味方が有ったお蔭である。本番前は身体ひとつで踊ることが少しでも彼等への励ましのようなものになってくれればと願っていたが、いざ踊り始めてみると情けなくも私の方が励まされることになってしまった。

そして年明けの今になってやっと、身体を動かしてみたいという被災者のお気持ちをWS.の場に臨んで肌で直に感じた。思えば震災直後より待ちに待った私の本当の出番が遂にやって来た訳なのだが、果たして本当に受け入れて頂けるのか否か?正直、事前にかなりの不安が有った為、仙台在住の「みやぎダンス」定行俊彰・雅代さんご夫妻に全面的なご協力をお願いすることになった。
その結果、全幅の信頼を置けるお二人にしっかりと仲立ちをして頂いたお蔭で、幸いにも2日間共に温かく和やかな場が生まれたように思う。
今回の成果は、たとえ言語のよるコミュニケイションが困難な場合や、且つ身体の動きすらも不自由な場合に於いても、身体での非言語的交流は何らかの可能性を有するとの感触を得られたこと。

是非、今後もこのような活動を継続実施されることを望む。勿論相当な時間が掛かるかも知れないが、続けてゆくことで被災者の方々の心身面に何かしら肯定的な変化が現れるに違いない。
「みやぎダンス」のメンバーも全員多かれ少なかれ被災されていた訳だが、各々それ以降の様々な困難を乗り越えて、確かに逞しくなっていらっしゃったと思う。
「ご安心ください。ダンスはまた始めます。」-震災直後に頂いた「みやぎダンス」Kさんのお言葉。
今やっと、それが実現しつつある。
本当にありがとうございました。
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岩下徹ダンスワークショップ&ソロダンス公演「放下24」@仙台(2011.9.23-25)活動報告




■実施概要
【開催期間】2011年9月23~25日(23-24日ワークショップ、25日公演)
【会場】せんだい演劇工房10-BOX
984-0015 宮城県仙台市若林区卸町2-12-9 TEL:022-782-7510
【協力】せんだい演劇工房10-BOX、NPO法人みやぎダンス、
Art Revival Connection TOHOKU(ARC>T)
【スタッフ】制作/志賀玲子、現地サポート/定行俊彰、定行雅代(みやぎダンス)
【主催】シューツ&ルーツ (代表 岩下徹)

岩下徹は、JCDN「ダンスによる復興プロジェクト」の旅費支援をうけて、2011年9月23~25日と2012年1月28~29日の2回、宮城県仙台市と東松島市で公演、ワークショップを実施した。

2011年9月の折は、舞踊家として被災地で何かできることはないか、という思いと、まだまだダンスどころではないのではないか、という思いが交錯しながら、ちょうど、年に一度の「放下」シリーズをどこで開催するかを考えていた時期でもあったので、以前から活動を共にしてきたNPO法人みやぎダンスの定行さんにご相談しながら、「放下24」とワークショップを、仙台の演劇人の活動拠点である10-BOXで開催させていただくことにした。観客やワークショップの受講者は、できるだけの広報はしながらも、一般市民というよりは、演劇やダンスに関わる舞台関係者を想定していた。自らも被災しながら、被災地のために演劇やダンスのできることをやろうとされていたARC>Tの方々と出会ってみたいという思いもあった。


実際に10-BOXでワークショップと公演にご来場くださったのは、みやぎダンスで共に活動をしてきた障碍のある・ないメンバー、以前に岩下が仙台でワークショップをやった時に参加してくださった方々や仙台で舞踏をやっている方、宮城県で被災し岩手県花巻市に避難されている方、京都造形芸大の卒業生、10-BOXの所長やスタッフ、など10数名であった。花巻の方は舞台関係のネットで情報を知ったということで、この時、初めて踊ったとおっしゃっていた。

ARC>Tのメンバーの方々は、すでにその頃、彼ら自身による被災地での支援活動の準備のため、忙殺される時期となっていたそうである。そんな中でもお一人、仕事の合間に(事務所は10-BOX内)公演をご覧くださったのはうれしかった。
震災後6カ月というこの時期に、仙台でダンスとワークショップを実施したことが、少しでも、お一人でも励ますことができたのか、どういう意味があったのか、そこのところが正直なところわからない。ワークショップも公演も集中したよい時間と場であったが、ほとんど震災のことは話されず、参加された方々の胸中を察することはできなかった。印象的だったのは、「自分のからだがガチガチになっている、ということにようやく気づくことができた。」という言葉だ。直接被災していない方も身体感覚がおかしいとおっしゃっていた。9月の段階では、このような答えのない気持ちを抱えたままの活動終了であったが、2012年1月末に再度、宮城県内2か所を訪問する機会を得ることができた。(報告者:志賀玲子)

【活動詳細】

■岩下徹ダンスワークショップ
「少しずつ自由になるために~自己とむきあう、他者とかかわる」

【日時】2011年9月23日(金)7~9時、 24日(土)4~6時
※内容は2日通し。1日だけの参加も可能。
【会場】せんだい演劇工房10-BOX  box.1(練習室)
【受講料】無料
【受講者数】各日15名
【ちらしに掲載したメッセージ】
年齢やダンス経験、障碍の有無を問わず、どなたでも参加していただけるボディ・ワークです。まず、床にゆったりと寝転がり、からだを緩めることから始めます。そして、寝返りを打つ、座る、立つ、歩く、寝転がる、といった簡単な動きを、その速度や質感を変えながら行います。ゆっくりと自分のペースで動きながら、日常生活では忘れている自分のからだの感覚、そこから生まれる心の動きに耳をすましていきます。最初は一人の動きから始め、少しずつ2人組、グループなど周囲との関係の中で動きを発見していきます。ほんのひととき、からだで遊んでみませんか。



■岩下徹ソロダンス公演「放下24」(ARC>T#23)
*公演終了後、観客とのトークセッション実施
【日時】2011年9月25日(日)3:00pm開演(2:30pm開場)
【会場】せんだい演劇工房10-BOXウッドデッキ
【料金】入場無料
【来場者】約50名
   
【ちらしに掲載したメッセージ】
<無音、即興、60分>という同じ条件の下、年に一度の定点観測的ソロダンス。

「放下(ほうげ)」シリーズは、自らのダンスの成立根拠を問うため、年に一度、「無音、即興、60分」という同じ条件の下で踊るもので、1988年に開始。近年は拠点の京都と東京で毎年交互に開催してきましたが、今年、初めて仙台で踊らせていただきます。

「放下」とは、「すべてのものを投げ捨てて、心身を自由にすること」という仏教の言葉です。23年前、当時31歳の岩下は、もはやそうしなければどうにもならない、袋小路のような状態に陥っていて、そんな中で、「放下」― テーマ、イメージ、振付、構成、音楽、衣装、装置といった、 ダンスをとりまく様々な要素と決別し、身体ひとつで観客の前に立つこと― を踊りました。以来、年に1度、続けています。今年は、<劇場>という装置も問うてみたいと、10-BOXの屋外ウッドデッキで踊る予定です。
「人が人の前に立ち、何かをするとは、どのような行為なのか」―パフォーミングアーツにとって最も根源的な問いを、仙台の皆さまと共に考える場となることを願っています。


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2012年2月28日火曜日

ケる子のういろう記(2012年2月9日~11日宮城県東松島)




2012年2月9日~11日の三日間。宮城県東松島の小野駅前仮設住宅に滞在させていただくことになった。東松島は松島と石巻のちょうど中間部にあたる。現在(2012年2月)も津波被害の為、JR線の復旧の目処はたっておらず、代行バスが走っている地域である。今回いっしょに東松島に向かった吉澤氏は鍼灸師。彼は鍼灸の治療で、今回5度目の被災地訪問となる。「自分が井戸を掘るだけじゃなくて、井戸の掘り方を伝えるようなことが出来ないかな」。数ヶ月前、酒盛りの席でポロッっとこぼれたことば。気になったのでどうゆうことか聞いてみると、どうも青年協力隊のボランティアの人のことばらしい。自分が現地を去ったあとでも、方法を伝えられれば、そこに住んでいる人達自身が井戸を掘り続けることが出来る。自分が治療するだけでなく、その場所に住むその人自身が、自分で元気になれることを伝えられないだろうか、そんな話をした。わたし自身も、震災があった後「自分で出来ること」から始められるケアのワークショップをしたいと考えていたから、何かきっと、方法はあるんじゃないかと、とりあえず今回いっしょに行ってみて考えてみたいと思ったのだ。


一日目。
わたしははじめての被災地への訪問。東北は絶対寒いと聞いていたのでぶくぶくに着膨れして行った。松島駅まで仮設住宅の自治役のTさんが車で迎えにきてくれ、小野に向かう。広い、平らな土地が広がる。空も広く、風は強い。雪は積もっていなかった。広い土地だなぁと思いながらも、もしやとはっとする。「このへんも家がいっぱいあったんだよ」。所々、家の土台がある。それがなければ、ただの平地だとしか思えない。それくらい何もない。「きれいになりましたね」と吉澤氏。「なぁ~」とTさん。ここに「あった」とゆうことに対する感覚、そこからわたしはよそ者なのだとはっきりと気づく。よそ者であり、見えないものが見えない、とても鈍感な人間なのだと、まずは肝に銘じようと思った。
今回私たちが主にいたのは仮設住宅の集会所。15畳くらいのスペースに、図書棚と調理場と机があってここが主な吉澤氏の治療スペースとなる。到着するとおばあさん達が4人くらいがちゃぶ台に集まっていて、「こっちおいで」と招いてお菓子やお茶を並べてくれた。「これ食べぇ」とお茶請けに持ち寄りの漬け物がどんどん出てくる。話には聞いていたけれど、こちらの人達は飢え死にさせてはいかんというくらい、食べ物を勧めてくれる。漬け物はみなとても美味しく、「これ、手作りですか?」ときくと。「そだよ。でも大きな漬け物壷はみんな流されたぁ。」と言っていた。

少し一服して、吉澤氏の治療スペースを作って治療所を開設。今回のあたしの作戦(?)は受付ノートを書いてもらって待ってもらっている間に色々身体のことの聞いたり、お話をしてまずはリサーチすること。あとはマッサージをしながら、自分で出来る、気持ちいい身体の動かし方についてお話していくこと。「何か残せるものを」とも事前に相談していたので、ちょっとしたプリント(かんたんな操体法という身体の動かし方)を作って手渡したりもした。


大体一日に10~20人くらいのお客さんがくる。集会所なので、ぶらりとただ立ち寄る人もいる。そんな中で色んな人の話を聞く。津波の水は真っ黒だったことや、地震の直前は普通にタイヤキを食べていたこととか、体育館で泳いだ話など。人々が話すことは、わたしが普通に考えていることなんてすっかり超えてしまってる。一見穏やかに思えるこの日常の中で、誰もが実際には想像出来なかったようなことを体験してしまい、それらを抱えて暮らしている。足が痛むというおばあさんの足をさわってみると、すっと伸びたきれいな足先だった。「とてもしっかりした素敵な足ですね!」と言うと照れながら「農家やったから」と答える。ここの年配の人達は、どこかに不調を抱えながらも背がすっと通っていて、力強さを感じる人が多い。漁師、農家と言った自然産業に携わる人が多く、暮らしを支えていたのだ。身体の形から、その人が踏みしめていた大地を思う。


二日目。

午前中、吉澤氏治療の傍ら、今日も、色々話したり動いたり。そしてお灸談話を導入。お灸談話とは吉澤氏が知り合いの方から「おれも何かしたいので、これを持って行ってくれ」と預かった市販の自分で出来る簡単なお灸を使って、治療待ちの人とお灸をしながらお茶を飲んでしゃべること。初お灸の私も、ポイントを教えてもらって、来てくれた人に伝える。しゃべりながら、皆さん手やら足からプワプワ煙が出ていて、お灸のもぐさの香りが漂う。不思議な光景だがリラックス出来る。昼からはまた別の体操教室の人が集会所にやってくるらしく(やはり定期的に運動出来る習慣を作る為なのだそう。だから今後もダンスは、ニーズはあるはず。)治療所を一旦閉めて、地元のKさん一家が車で被災地沿岸を案内してくれることになった。
覚悟はしていたけれど、言葉を失う光景は一年経とうとする今もあるのだ。建物が斜めに傾むいて浸水している様子や、がれきの山。そんな中で一度は砕けて、流されたであろう墓地の石がひとつづつ丁寧に、人の手によって立て直されたあとを目にする。ボランティアの人達の手があって助かったとKさん達は話していた。
はじめ、カメラを向けようとした時、手が止まった。けれど、と思い「あったことを、話したいから」と口にしようとするが、うまく言葉が出てこない。運転手のおじさんが「写真とりたい所があったら言って、ゆっくり走るから」と。それからおばさんは丁寧に、今走った場所が以前はどうゆう場所だったのか話してくれた。道沿いにポツポツと大きなカメラを持った人が歩いている。「もうすぐ一年だから取材の人が増えて、そっからまたきっと減るんだぁ」。

74名の児童が亡くなった、大川小学校の前を通る。一旦停止してくれたものの少し様子がおかしい。体育館に入る、記者のような人が見えた。「降りますか」と聞かれたけれど「いえ、いいです。」とそこをあとにした。「ここはやっぱりしんどい」と娘さんは言い、「あの人、なしてなぁ、はいらねぇでなぁ、はいらねぇで」とおばさんは呟いていた。それは、私がここにきてはじめて聴いた、小さな叫びのように響いた。ここにいるあたしも、あの記者の人も、何も変わらないじゃないかと思う。カメラを向け、見たり聞いたりする。それでも、話してくれようとする「ここ」の人達に対してあたし達は何が出来るのだろう。その後も車で走り沿岸部をまわり、帰りは道中にある焼き芋屋さんで「病院の帰りはいつも買って帰るんだ」とおばさんは焼き芋を買ってくれた。金色のほくほくした焼き芋はほんとに優しい味がした。


三日目。
「おっはよーございまーす!」私たちを気にかけて、今日もTさんは朝ご飯を持って来てくれる。昨日は和食、今日はイングリッシュブレイクファースト(パンに卵にコーヒー)!Kさんは料理上手なのだ。元気になってもらいたいと思って来ていたのに、現状はこちらのほうが「何やっとんねん、しっかりせな」と思わされる。当たり前のことが当たり前でなくなった土地で、当たり前のことを当たり前に出来る尊い人達が復興を生きている。
今日は集会所で炊き出しがあるので、治療院は仮設住宅の一つだけあいている一室に一時だけお引っ越し。わたしは今日は炊き出し組。一昨日の夜ごはん時に、「甘酒が呑みたい」という話が出て「炊飯器で作れるらしいですよ」と迂闊に答えた為、急遽甘酒を作る係になったのである(作ったことないのに)。
炊き出しにはRQ支援センターの女性が中心になって来ているグループと、みまもり隊という元は農業の支援をしていた学生ボランティアの人達がきていた。流石に慣れているのだろう、のべ40~50人くらいの炊き出しがささっと準備され、お昼時の集会所が賑わう。甘酒も昨晩からレシピを検索して作ったかいあって、おばあさん方が喜んでくれたのでうれしいかった。

その後、炊き出しボランティアの女の子達が「肩が凝るのだ」と話していたので「肩こりに効くダンス」の話をして、ちょっとやってみることになった。気持ちの良いと思う方向にどんどん身体を動かして身体の歪みをとる方法(詳しくはプリントPDF)。これを繋げるとダンスになるんだよ、という話をしてちょっとだけ踊ってみる。女の子たちがわいわい手を振る。「普段どうゆうダンスをしてるんですか?」ときかれたので「多分、、コンテンポラリーです」と答えると皆「しらねぇ」と言っていた。

帰る時間が近づいてきたので、帰り支度。昼すぎからはここでデジカメ教室をやることになっていると話している。ここの活集会場の活発さに驚く。この小野駅前仮設では「小野駅前郷プロジェクト(http://onoekimae.exblog.jp/)」という復興プロジェクトを仮設の住人達自ら立ち上げようとする動きが出てきている。資金や行政との兼合いなど、問題はたくさんある。何せ立ち上げようとしているのは、被災地の住民自らなのだ。けれど「自分たちから動かないと変わらない」とKさんはプロジェクトについて話していた。このような被災地の人自らの動きを援助出来る仕組みを考えていくことも、これからの復興支援の一つの課題だと思われる。
帰るときも荷物を減らす為にぶくぶくに着膨れる。寂しいなぁと佇んでいると「それは北海道か、スノボですよね。」と女の子につっこまれる。やはり着込み過ぎだった。「ばいばーい」と見送られ、車に乗り込む。
帰る道すがら窓の外に目を見やる。目の前に広がる何もない景色に、胸がかさかさ音を立てる。それなのにまるで親戚の家を離れるみたいで、幼い頃、毎年父の田舎に行った帰りには、寂しくて泣いていたことを思い出した。



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2012年2月20日月曜日

「震災復興支援♥心をつなぐアートプロジェクト」 2012年1月活動報告書

>>1/25(水) 12:30-16:30「中津川浩章の似顔絵屋さん&コーヒー・サロン」
講師:中津川浩章(なかつがわひろあき/美術家)
場所:仙台市青葉区川内公務員住宅集会室
参加人数:似顔絵14名 コーヒーサロン38名 計52名(のべ)
共催:NPO法人JCDN
協力:一般社団法人パーソナルサポートセンター
助成:日本財団ROAD PROJECT
ここ青葉区の川内公務員住宅の一部は、いわゆるみなし仮設として、150世帯のみなさんが住んでいらっしゃいます。パーソナルサポートセンターの鈴木さんより、ここは支援が少なく、なかなか人が集まってこないのでとお話を頂き、似顔絵屋さんとコーヒーサロンを実施しました。








集会室では2週間前からやっと太極拳のクラスがはじまったばかりで、スタッフの佐藤さんも「どれだけ人が集まってくれるかわからないのですが」と、不安顔。それでも、受付の12:30になるとすぐに数人の方々がいらっしゃいました。最初の一人を描き始めると、他の方々はコーヒーを飲みながら、自己紹介や住まいの情報交換などの楽しいおしゃべりが始まりました。
初めは、みなさん「絵を描いてもらうなんてはじめてで。」と緊張した面持ちでしたが、描いてもらった後は、満面の笑顔。「若く描いてもらっちゃったわ〜」「似てる〜」「実物の3割増し!」など、照れながらも、とっても嬉しそうです。
お互いに描いてもらった絵を見せながら、会話も進みます。







 
中津川さん曰く「初めはみんな緊張してはずかしそうなんだけど、描いているうちに見られることに慣れてきて、『私はここにいる』と存在感を放ってくる。最後に絵を受け取ったとき最初と全然違い、顔が輝いていて、その変化を見るのが感動的。」中津川さん自身は、普段は抽象画を描いていているのですが、「肖像画にはまってしまいそう。」とまで言うほど、何か深くつながるものがあるようです。



仙台市青葉区のまちづくり推進課の方々も、様子を見に来てくれました。行政の方もコミュニティ作りにとても熱心で、みんなで復興しようという気持ちを共有できたような気がします。また、この写真は仙台にお住まいの写真家、石原真澄さんが私のカメラを使って撮影してくれました。同じカメラでも、ちょっといつもと雰囲気が違います。このように、素敵な人たちの協力あって暖かな場がつくられています。(三ツ木紀英)
撮影協力:石原真澄

>>1/26(木)「アクションお絵かき!」中津川浩章(なかつがわひろあき/美術家)
    9:15-10:10 4歳児22名 保育士1名 10:20-11:15 5歳児23名 保育士1名
「からだであそぼう!」講師:新井英夫(あらいひでお/ダンサー・体奏家)
9:15-10:10 5歳児23名 保育士1名 10:20-11:15 4歳児22名 保育士1名
    場所:南相馬市立八沢幼稚園
    参加人数:アクションお絵かき 計47名、からだであそぼう計47名 計94名(のべ)
12月の南相馬滞在時に、ある幼稚園から紹介して頂き、八沢幼稚園とつながることができました。ここは9月に園を再開したこともあり、なかなか子どものための支援がなくて、探していたのだそうです。現地に足を運んでこそ、入ってくる情報があります。私たちが伺うと、園長先生をはじめ、保育士さんも子どもも大歓迎してくれました。
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「からだであそぼう!」
まずは5歳児さんとからだであそぼう!舞台から出てきたピンクチューブにきゃーきゃー声を上げていましたが、新井さんがでてくるとあっという間に笑顔に。


 




 
輪になってビックリ顔をしたり、お互いをマッサージしたあと、太鼓の音でバラバラダンス。







2人一組でカタツムリになったり。



これは「クワガタ」!色んな発想がドンドン生まれてきます。
最後は2人一組のお友達と仲良くなるダンス。息をあわせて仲良くダンスできました。(三ツ木)


次は4歳児さん。舞台の幕の陰から布チューブをかぶって登場した新井さん。足の部分だけが見えた時は、まだ「?」の子ども達。全身が現れると、予想以上の謎の生き物の出現に部屋中を逃げ回りました。



驚きの出合いの後には、新井さんの演奏にのせて握手でごあいさつ。



身体をほぐした後は、ガイコツ先生に享受してもらったバラバラダンスで全身を柔らかくしていきます。


さらに互いの動きをまねする鏡ごっこ!



おっとっととなるような大きな動きから、ちょっと首をかしげるような小さな動きまで、互いをじっと見つめあいました。


最後は新聞紙を使って花火!思う存分空に打ち上げます。本日2つ目の活動でしたが、最後までつかれたという声もなく、集中して遊びきることができました。



子ども達がチューブのトンネルをくぐった後は、「くぐれるかしら」と心配しながら先生も挑戦。さらに、新井さんと2人のチューブ人間になって子ども達をわかせました。(近田)
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「アクションお絵かき!」
4歳児さんは中津川浩章さんの「アクションお絵かき!」から。大きい紙に身体をいっぱいに使って線を描きます。まっすぐな線、ゆっくりな線。クネクネな線。





  
あっと今に紙が色でうまり、完成作品を見た先生曰く「パワースポット」のような、ぐりぐりと線が何重にも重なった部分がいくつもできていました。





  
今度は好きな色のクレヨンをもって、紙の上を端から端へ。色を変えて、何度も何度も飽くことなく紙の上を行き来しました。はじめは一本だったクレヨンも、両手もち、2本持ち、3本持ちに。最後は手にあふれんばかりに持って、紙をうめてゆく線や色の重なりを楽しみました。(近田)





   

続いて、5歳児さん。好きな色でまっすぐな線を描いてみようの中津川さんに声に、最初は戸惑いながらも、段々エンジンがかかり、いつのまにか画面が埋まっていきました。








    
渦巻きをグルグル描くところで、ぐっと集中力がでてきました。男の子たちは何人かで一カ所に何層にも色を重ねています。




  
出来上がった絵をホールに展示。上が4歳児さん、下が5歳児さん。見に来た遅番の先生が「すごい八沢幼稚園!芸術だわ!」とその迫力にびっくり。



終わった後のふりかえり。保育士さんからは、「全身使って動くような活動は中々出来ないが、今日は体を十分に使って、のびのび活動できた。」「お友達の体に触れあったりできてよかった」「支援が必要な子がとてもよく集中できていてびっくりした。」「4歳、5歳の様子で導き方が違っていてさすがだと思った。」「保育士だけだとどうしても固定概念があるけど、今日はとてもダイナミックにできた、子ども達のいつもと違う笑顔が見られた。」と。
アーティストからは「続けて2時間の活動なのに、よく遊べていた。」「4歳児さんはとても工夫して体で表現できていた。」「チームワークがよく、よく動き回って描いていた。」「5歳児さんは、クワガタなど勢いにのっているととても面白いものがでてくる」などのコメントがでました。
みなさんとても喜んで下さって、会津料理の給食を出して下さったり、帰る時には保育士さんみなさんで外にでて、寒い中タクシーが見えなくなるまで手を振って見送ってくださいました。別れがたい出会いでした。(三ツ木)


>>1/26(木)保育士講座
「からだであそぶ」講師:新井英夫(あらいひでお/ダンサー・体奏家)
 14:30-15:30 上真野幼稚園保育士3名 上真野保育園 保育士3名 計6名
「絵で気持ちを表現する」中津川浩章(なかつがわひろあき/美術家)
15:40-16:45上真野幼稚園保育士3名 上真野保育園 保育士3名 計6名
    場所:南相馬市上真野幼稚園
    参加人数: 計12名(のべ)
私たちが南相馬に来てワークショップすることは子どもにとって、限られた特別の時間になってしまいます。上真野保育園の園長先生に相談し、日常の遊びのヒントになるような保育士さん向けの講座をさせて頂くことになりました。


「からだであそぶ」
新井さんの講座では、子どもたちと身体を使って楽しむ時に、動きのイメージを広げるコツや、ゲームの様に自然と動いてしまう方法を、解説とともに体験して頂きました。いくつかのシンプルなルールで、思いもよらない不思議なポーズや、いつもは使わない部分の動きが引き出されていきます。新井さんの活動では思い切り走ることが難しい限られた場所でも、汗がじっとりにじみ、大人の場合は次の日筋肉痛になるほど。自分と他者の動きへの集中力も求められ、それが達成感や充実感にもつながるように感じます。





 
外で思い切り身体を動かす機会を奪われている子ども達にとって、園のホールで遊べる少ない時間の中で、いかに全身を使った質の高い活動ができるかは切実な問題です。身体にも心にも大きく関わってくることではないでしょうか。体力の低下を先生方が心配し、実際にすでに感じてもいるようです。厳しい状況の中ではありますが、講座を始めると先生方もすぐに夢中に。終始笑顔あふれる交流のひと時になりました。(近田)



 
「絵できもちを表現する」
水彩やクレヨンを使って、自分の気持ちをどう表現するか、簡単なようで難しいことです。中津川さんの講座では、水に濡らした紙に「今日の気持ち」「イライラ」「ワクワク」「ドキドキ」を水彩で表現していきました。また地震がきたらどうしようという「ドキドキ」する気持ちを描いたり、答えの見つからな今の状況を、黒や茶、深い青などで表現する方もいらっしゃいました。子ども達とは元気に過ごしている反面、保育士さん自身も不安を抱えていらっしゃる現実が垣間みられます。




  
楽しい気持ちを表現することで、もっと元気に。あるいは、モヤモヤした不安に色や形を与えて、絵にしていくことで、気持ちを少し客観視できます。また、意識的にも無意識的にも、描いた絵には色や形に意味や理由があります。描いた絵を変に分析するということではなく、子ども達と絵についてお話することで、その子のことがよりよく理解することができるのではないでしょうか。最後には「子ども達と早速絵を描いてみます」という声も。短い講座でしたが、室内での子どもとの遊びのヒントにしてもらえればと思います。(三ツ木紀英)

>>1/27(木)「アクションお絵かき!」中津川浩章(なかつがわひろあき/美術家)
    9:40-10:40 4歳児23名 保育士2名 10:50-11:45 5歳児38名 保育士5名
「からだであそぼう!」講師:新井英夫(あらいひでお/ダンサー・体奏家)
9:40-10:40 5歳児38名 保育士5名
    場所:学校法人白百合学園 白百合幼稚園
    参加人数:アクションお絵かき 計66名、からだであそぼう計43名 計109名(のべ)
「からだであそぼう」
福島市は原発から60km離れていますが、放射線量は低くなく、子どもは外で遊べません。今回は初めて福島市内の幼稚園を訪れました。外は20分だけ遊んで良いことになっていますが、子ども達は廊下を走り廻っているので、欲求不満が溜まっているのかも。と先生。今日は思い切り遊んでもらいます。
まずは40人の5歳児さんとからだのワークショップ。2クラス合同で、大人数だったのですが、みんなよく集中して遊べました。



おきまりのピンクチューブに歓声をあげて、逃げ惑う子ども達。ウォーミングアップは、寒さを吹き飛ばす、ゴキブリダンス。



3人一組でほっぺ歩き。





  
鏡遊びも、息をあわせてできています。「楽しい〜」という声も。右の写真は2人一組でキノコになっています。同じキノコでも、色んな表現があります。





  
この2つは象さんです!8人で協力して、両脇の耳や鼻、牙やしっぽになりきっています。



最後は息をあわせて、「お友達と仲良しダンス」。1時間の身体遊びを思い切り楽しみました。(三ツ木)
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「アクションお絵かき!」
4歳児さんは中津川さんの「アクションお絵かき!」を体験。「まっすぐな線を描いてみよう」との言葉に、慎重にクレヨンを動かす子ども達。なんとも丁寧な線に、子ども達の几帳面さがうかがえました。





  
そんな子ども達も次第に腕の速度を増してゆきます。紙の上にのってダッシュ!次第に身体の動きと描くことが一体になっていきました。



何人かでまとまって、ものすごい勢いで渦を描く様子も。後ほど聞くと「色の対決」をしていたそう。幾層にも重なったクレヨンを、爪を使って削り取る姿も見られました。活動の入りこみ方に個々の違いが見られましたが、どの子も夢中になれる瞬間があったのではないかと思います。




次は5歳児さん。広いホールに、長い紙を2列用意して活動スタートです。


音を聞いて描く活動では、新井さんが演奏を。単にリズムに合わせるだけでなく、短い線をすっと描いたり、ギザギザの線を描いたりと、音を繊細にとらえていました。中にはトライアングルの音に、星の様なキラキラを描く子も。身体的な表現から物語性のある表現まで、表現の幅の広さを感じました。


紙が色の渦で埋まってゆきます。


クレヨンの二刀流!次第に小さくなってゆくクレヨンに、互いに使いたい色を貸しあう姿も見られました。


物語を紡ぐ子がいれば、身体を解放させて描く子もいます。






活動後、5歳児さんの作品(上2枚)と4歳児さんの作品(下)をホールに飾りました。展示をすると、改めてせまってくるような迫力を感じます。(近田)

終わってからの振り返り。4歳児担任先生は、「線だけでこんなに長い時間遊べるのかと驚いた。規制しないのがいい。のびのびできていた。」「終わったあとももっとやりたい。紙を裏返して、後でやろうなどと言うほどだった」
5歳児担任先生は、「からだで遊ぼうでは、支援が必要な子も、すごく楽しんでいた。外遊びの制限の中、よく遊べて本当に良かった。それぞれ1時間ずつよく集中していた。」「絵を描く方では、はじめ、一人の女の子のリーダーが、使う色をみんなが真似していたが、ルールがわかって楽しめてくると、全然違う色を自分で選べるようになっていたのがとても良かった。」「あんなに大きな紙に、何も考えないで描ける楽しさ。様子を見ていて、描くことがストレス解消になるのかと思った。」と。
アーティストからは、「バランスよく集中できていた。一つのエネルギーになって、ワクワクと育っていった」「きもちを表現させることを大事にしている。溜まっているものをはきだせた気がした。」とコメントが。園長先生からは、「これからも長い生活となる。6−7月にまた是非来て欲しい」というご希望も頂きました。「これからの長い生活。」、、、。マスクをかけながら、子どもと一緒に生きていくという若い保育士さんのきりっとした表情が強く私たちの心に残りました。(三ツ木)

>>アーティスト・コメント 中津川浩章(なかつがわひろあき/美術家)
初日は仙台青葉区のみなし仮設住宅で「似顔絵屋さん」。今回で「似顔絵屋さん」は3回目になりますが、実施すればするほど奥が深いものになっていった気がします。女性はしっかりお化粧をしてきていて気合い充分です。描き始めると、初めてモデルになることに戸惑い、軽い緊張感を感じている様子。でも5分を過ぎるとモデルさんの表情が次第に変化してきます。最初は生活感を漂わせているのですが、時間が過ぎると凛としてくるというか、少しづつ美しく感じられてくるのです。ここにいて今生きていることを肯定する感じといっていいかと思います、人間の尊厳そのものが立ち上ってくる感覚です。描かれるという行為はその人間がそこに存在することを深く肯定する行為なのだと改めて思い知りました。写真ではない魅力が確かにあります。完成した肖像画を見たときのみなさんの表情がとても喜びに満ちていて、描き手として最もうれしい瞬間でした。最初は怪訝そうな表情をしていたスタッフさんも徐々にほぐれてきて最後には気持ちよく支えていただき、充実感を持つことができた時間でした。
次の日は八沢幼稚園で「アクションお絵かき」バランスがよくとても美しい画面が出来上がりみんな大満足でした。午後は上真野幼稚園で先生方にWSをしました。様々なテーマで水彩画やクレヨン画を描いていったのですが、地震や津波の痕跡や不安、そして南相馬で生きていくことに対する覚悟などが読み取れて少し胸が詰まりました。翌日は福島に移動して白百合幼稚園での「アクションお絵かき」、園に入ると子供たちは外で遊べないからなのか園内を駆け巡っていてすごいパワーです。「アクションお絵かき」もみんな描くことの気持ちよさに身をゆだね楽しんでいました。一人の女の子が近づいてきて「こんなことしてどういう意味があるの?」と聞いてきました。「描いていて楽しくないの?」と聞き返したら「楽しい~。」と答えたので「だったら楽しめばいいんじゃない」と答えたらにっこり笑って描くことに集中していきました。ワークを終えて先生方とフィードバックをした際に子供たちを守りながら福島で生きていく覚悟が、その言葉や表情から感じられて胸が締め付けられる思いでした。東北での被災地ワークショッププロジェクトは、続けてきて本当によかったのですが、ある意味自分たちではどうしようもない現実があらわになってきて時々無力感に襲われてしまいます。東京に帰ってくるといつも福島のことを考えている自分がいます。

>>アーティスト・コメント 新井英夫(あらいひでお/体奏家ダンス・アーティスト)
今回は南相馬市と福島市の幼稚園3園で園児や保育士さん対象にワークショップを行ってきた。原発事故以降、外遊び不可で子どもたちにストレスが溜まっているとのことなので、室内でからだを動かす「ふれあいダンス」や「表現遊び」を準備した。どの現場も歓迎して受け入れてくださり、各所のワークショップは盛り上がった。滞在3日間を終え、東京への帰途。子どもたちや保育士さんと楽しくからだを動かせたぶん、新幹線の車中では福島から東京へたった1時間半という時間的な近さとふだんどこかで「他人ごと」にしている自分の心の距離とのギャップにいつも目眩のようなやるせない感覚に襲われる。私は帰っていくのだが、あの子たちはフクシマに暮らしているという事実。幼稚園に「ごくふつうに放射線量計がある日常」を目の当たりにしてなんと申し上げていいか、言葉がみつからなかった。ある保育士さんは「これからも長く続くことですから」と淡々と話された。子どもたちの外遊びが制限されている中で、試行錯誤と覚悟をしながらの保育の日々。「これから(避難という選択肢も含んだ将来)」と「いまここ(暮らしている日常)」の双方をみつめて現地で幅を持った多様なサポートのかたちが求められているように感じた。地続きだという想像力を忘れず、引き続きお手伝いできることを模索していきたい。

3日間のワークショップ参加人数 合計 267名
助成:日本財団ROAD PROJECT
アーティスト:中津川浩章(美術家)、新井英夫(体奏家・ダンスアーティスト)
主催・企画:NPO芸術資源開発機構(三ツ木紀英・近田明奈)
共催:NPO法人JCDN
協力:一般社団法人パーソナルサポートセンター
助成:日本財団ROAD PROJECT



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